管理画面のメインナビゲーション
今回の投稿では、バージョン6.1.1での説明を前提にしています。バージョン6.0.xの場合でも、メニュー名は同じですが、各メニューの機能では機能ごとに改善がある場合があります。また、バージョン5.9以前は、ナビゲーション項目のサブメニューの表示内容が違う場合があります。
ローカルPCのLocal by FlyWheel やレンタルサーバーにインストールした後でアクセスしたとき、WordPress 6.1の管理ユーザーでログイン後に表示される管理画面は、下図の通りで左側に縦にメインナビゲーションが表示されます。
サイトのテーマ選定を優先したい場合は、[5]外観を参照ください。
[1]投稿
[投稿]は、ブログページの投稿を主に行うためのページになります。一度新規作成したら、下書きとして保存できます。編集が終わったら公開することでサイト閲覧者に見せることができます。
[2]メディア
[メディア]は、メディアライブラリーという機能で、画像や動画等のファイルを管理する項目になります。WordPressのサイトにアップロードした画像を一覧でき、ここから記事やテーマ,プラグインの設定画面でセットしたり、大きさを編集したりすることもできます。
[3]固定ページ
[固定ページ]は、特定のタイトルで作成できるページで、様々なカテゴリーのページを作るときに使います。使い方としては、そのページに遷移したときに表示するコンテンツページや、問い合わせなどのフォームをプラグインで組み込んで使うこともできます。一度新規作成したら、下書きとして保存できます。編集が終わったら公開することでサイト閲覧者に見せることができます。
[4]コメント
[コメント]は、ブログ投稿に対するコメントを一覧できるメニューです。WordPressでは、ブログ記事が公開されたあと、記事にコメントを付ける機能が実装されています。メニューをクリックして一覧を表示したとき、初期状態では、下記のようなサンプルコメント([Hello world!]の投稿に対するコメント)が入っています。
また、コメントを受け付けるかどうかなどの設定は、メニューの[設定]⇒[ディスカッション]で設定することができます。下図は、初期状態の設定です。
コメントを自由に受け付けることもできますが、宣伝目的のコメントのように、悪意を持って自動的に投稿を投げるようなプログラム(ボット)の攻撃を受ける可能性も、ネットにはボットが徘徊しているため、頻繁にありえます。このように、あまり好ましいコメンターでない場合もありますので、迷惑コメント対策(スパム)を行うことも随時できます。
例えば、
✔コメントを受け付けないようにする
✔指定したキーワードを含むコメントを制限(承認待ちにする/ゴミ箱へ移動させる)する
ようにできます。
[5]外観
このメニューでは、[テーマ]や[エディター]を調整することができます。
(1) テーマ
初期状態では、下図のようになっています。
バージョン6.1以降では、Twenty Twenty-Three が追加され、デフォルト選択されています。バージョン5.9で導入されたTwenty Twenty-Two や、5.9より前で導入された Twenty Twenty-One を選ぶこともできるようになっています。
例えば、Twenty Twenty-Two を一覧から選択すると、下記のように概要が表示され、一番下に[有効化]ボタンがあります。テーマを選びたいときは、この[有効化]をクリックすると有効になります。WordPressは、テーマを自由に選択しながら、変更前までにセットしたデータを移行することができるので、ホームページのリニューアルもしやすいところに使いやすさがあると言えます。(ただし、テーマによってはレイアウトなどの修正が必要になる場合があります。特に有料テーマでは、独自の機能の実装が追加されたりしますので、テーマの選択後にプレビューして確認を行って調整する必要があります。)
テーマの変更については、既定でインストールされたテーマをそのまま使うやり方もありますが、選択後に構成しているファイルをカスタマイズするやり方もあります。構成ファイルをカスタマイズする場合は、テーマを直接変更するのではなく、子テーマを作成するやり方を推奨します。子テーマの作り方は、次回の記事で紹介します。
(2) エディター
バージョン5.0から、ブロックエディタと呼ばれるエディタ(Gutenberg)になりました。さらに、バージョン5.9からは、フルサイト編集(FSE:Full Site Editing)エディタに機能が改善されています。2023年2月時点では、まだベータ版ですが使えるようになっています。この FSE でヘッダーやフッターのカスタマイズが、ブロックで簡単で柔軟に編集できるように改善されています。つまり、ブロックディタでは、文章や画像の位置調整やレイアウトの変更が、HTMLやCSSの知識がなくても簡単に行えるように実装されています。
WordPressでは、バージョン5.0以前からクラッシックエディタというエディタがあります。文字を打ちながらHTMLタグの装飾やコード挿入もしやすいという、コンテンツ単位でとらえて編集するエディター様式と言えます。現在もプラグインで追加可能ですが、クラシックエディタは、2024年以降は延長サポート外になる予定ですので、最初からブロックエディタに慣れていくほうがいいと考えられます。
ブロックエディタのとらえ方は、ページをヘッダー,コンテンツ,フッターと部位ごとに、さらにブロックに分割して構成してページにつなげていくと考え、部位ごとに
♪[見出し/段落/リスト(箇条書き)/画像/カラム/スペーサーなど] のブロックの編集をする
♪♪ 装飾や投稿設定(カテゴリ・タグ・アイキャッチ)をセットしていく
♪♪♪ ブロックの間隔を調整していく
という、 DTP (DeskTop Publishing) 的な流れで行うエディタになっているとみればいいと思います。視覚的な使い方さえ慣れてしまえば、HTMLタグを含めた飾りつけも自在に行えるようになっていると考えていいでしょう。
対象ブロックをオプションメニュー「HTMLとして編集」を使えば、HTML編集も可能です。
また、プラグインを使えば吹き出し,アコーディオンなど特殊なパーツも使えます。
[6]プラグイン
[プラグイン]では、WordPressの機能を拡張するプログラムセットの導入・更新を行います。
[7]ユーザー
ユーザーの追加・権限の設定,更新を行います。
[プロフィール]
Webサイトの概要や運営者の自己紹介などを記載できます。また、ユーザー一覧から選択したユーザーの[アプリケーションパスワード]では、サイト外のアプリケーションから RestAPI を利用して投稿の追加・更新や、画像をアップロードしたりするときの接続パスワード設定を保存できます。
[8]ツール
各種のツール機能があります。
[インポート/エクスポート]
WordPressサイト間でデータの引っ越しを行いたいとき、記事や画像データのインポート,エクスポートを行えます。
また、サイトで収集した個人データのプライバシー対応について、ツール(個人データのエクスポート/個人データの消去)で実装されています。
[サイトヘルス]
バージョン5.2以降で追加された機能で、サイトのセキュリティ面での健康状態を自動診断してくれます。メニューは、特権管理者または、管理者グループの権限で表示されます。
「ステータス」タブでは、WordPressの 構成に関する重要な情報を、注意が必要なその他の情報と共に確認でき、改善が必要な場合は項目ごとにヒントが表示されます。
ステータスとしては、大きく分けて2つあります。
*良好(健康または、健康だが改善する余地があるケースも含む)
*改善が必要(重大な問題がある場合)
⇒この場合は、早めの対策が必要です。
「情報」タブでは、WordPressウェブサイトの技術的な情報を詳細に表示します。
テーマやプラグイン、サーバーやデータベースなどの情報が得られます。この情報から、改善を検討するときに役立てることができます。
[個人データのエクスポート]
ユーザーに対し、ユーザー自身のデータを提供できることを通知する確認依頼メールを送信し、対象ユーザーが 自身のデータを、サイトからのリクエストの確認後に新たに通知されたメールのリンクから Zip ファイルでダウンロードすることができます。
[個人データの消去]
ユーザーの要請によって収集した個人データを消去するときに使います。
[テーマファイルエディター]は、テーマを変更せずにテーマファイルをカスタマイズできるエディターですが、サイトのデータを破壊する危険(万一破損したときに、変更前の状態に復旧できなくなる)があります。このツールを使うよりは、元々のテーマデータを複製して作った子テーマでの編集を推奨します。
[プラグインファイルエディター]では、修正可能な設定のあるプラグインについて、内部のPHPファイルを修正ができるものがあります。このエディターで、内部の設定を変更することができますが、予期しないトラブルを避けるため、高度な知識が要求されますので使用する場合は注意が必要です。
有料テーマ使用時では、[プラグインファイルエディター]がプラグインのサブメニュー内にある場合があります。
[9]設定
WordPressのサイト表示に関する設定を行うメニューです。
[一般設定]では、サイト設置に関する一般的な構成設定を保存します。
[管理者メールアドレス/ユーザー登録のメンバーシップ/新規ユーザーのデフォルト権限/言語/タイムゾーン/日付形式/時刻形式/週の始まり]をセットします。
[投稿設定]では、下記が指定できます。
♪[投稿の機能の基本設定](カテゴリーの初期値/フォーマット)
♪[メールで投稿を受け付ける時の環境設定](メールサーバー/ログイン名/パスワード/カテゴリー初期値)
♪[更新情報サービス](更新情報を通知するURLのセット)
[表示設定]では、下記が設定できます。
♪[ホームページの表示](トップをブログ投稿にするか、固定ページにするか)
♪[1ページに表示する最大投稿数]
♪[RSS/Atomフィードで表示する最新投稿数]
♪[フィードの各投稿に含める内容](全文/抜粋)
♪[検索エンジンでの表示](検索エンジンがサイトをインデックスしないようにするかどうか)
[ディスカッション]では、コメントや他サイトからの通知(ピンバック,トラックバック)の受付を管理します。これは、自サイトと他サイト双方にリンクが貼られることで、SEOの効果向上の期待と、サイト管理者のコミュニケーション向上が期待できるメリットがある機能です。
ピンバックは、他サイトの管理者に対し、参考にした時のURLリンクを自サイトのコンテンツに貼って、「リンクを貼りました」と自動通知することで、自サイトの存在を他サイトに知ってもらえる機能です。他サイトの管理者が、ピンバックを承認すると、自サイトの記事タイトルとURLが掲載されるのです。これにより、他サイトの読者が自サイトを訪問してくれる可能性が高まります。
トラックバックは、他サイトの参考記事のURLを、自サイトの管理画面でトラックバックとしてURLを入力すると、他サイトの管理者に「リンクを貼りました」と通知できる機能です。これにより、他サイトの参考記事に、自サイトのURLが表示されるので、他サイトの読者が自サイトを訪問してくれる可能性が高まります。
[メディア]は、WordPressサイトにアップロードした画像に関する設定を行うメニューです。画像サイズとファイルアップロードの設定ができます。
♪画像サイズ
サムネイルのサイズ / 中サイズ / 大サイズ の3つの規定のサイズを設定できます。
例えば、投稿の記事で画像を設定するときに、この3つのサイズを選択して変更することができます。
例えば[大サイズ]を750px × 750px にセットした場合、差し込んだ画像のサイズが大サイズよりも小さければ、各サイズおよびフルサイズが選択できます。
上図の設定画面で「サムネイルを実寸法にトリミングする」にチェックが入っているので、縦横比が無視されて設定した寸法で自動的にトリミングされています。
(下図のフルサイズの選択肢の下の数字:750×378)
もし、「サムネイルを実寸法にトリミングする」にチェックが入っていない場合は、画像全体が幅か高さを上限にして相対的にサイズが縮小されます。
♪ファイルアップロード
アップロードしたファイルを年月別のフォルダに分けるかどうかという設定です。
[パーマリンク]では、発行するページのURLリンクの中で、ドメイン名を含まない部分をどうセットするかを指定できます。
新しく作成するページには、そのページを保存するときに再度いつでもアクセスできるようにリンクを付ける必要があります。ドメイン名の後に付けるページ固有のリンクをパーマリンクといいます。
URLの作り方については、SEO評価を考えてGoogleが推奨するURL要件に合わせるのがおすすめです。
【Google参照ドキュメント】シンプルなURL構造を維持する
- シンプルで分かりやすい単語をURLに使用する。
- ローカライズした単語をURLに使用する(カテゴリー名の下に単語を置く)。
- 必要に応じてURLエンコードを使用する。
- 単語を連結する文字列を使う時は、区切るときにハイフン(-)を使用する。
※カテゴリー名は、http://a-bcx.com/japan/ の japan にあたるワードです。
その上で、設定画面にある下図の画面を見てみますと、
この中で最もおすすめなのは、「投稿名」で設定することです。意味のある単語を連結する場合は、ハイフン(-)で区切ります。投稿記事や固定ページを新規作成する時に、パーマリンク部分にカテゴリー名を付けることもできますが、カテゴリー名を入れる場合は、カテゴリー名を含めてパーマリンクを変更しないことをおすすめします。一度変更してしまうと、被リンクが無効(外部のページやサイトに自社サイトのリンクを貼ってもらうこと。バックリンクとも言います。)となり、あわせてSEOの計測が切れてリセットされてしまうためです。
[プライバシー]では、サイト(ブログを含む)のプライバシーポリシーページの設定に関する項目をセットできます。
企業(法人)に限らず、個人ページでも問合せページなどで個人情報を収集する予定があるときに、サイト管理者が個人情報をどのように取り扱うかの方針(プライバシーポリシー)を表示することが必要になってきます。
《プライバシーポリシーが必要な例》
- 氏名,メールアドレス,連絡先の入力がある。
- ECサイトでの配送先情報の個人情報入力がある。
- 広告収入のための実績分析を行う。
- Googleアナリティクスのアクセス解析を行う。
サイトの言語を日本語にしておけば、下図の「新規プライバシーポリシーページを作成する」の[生成」ボタンをクリックします。そうすると、プライバシーポリシーガイドを確認しながら、好みのプライバシーポリシーページを作成することができます。
パーマリンクは、適切な英単語の語句にして保存しておくといいでしょう。
ここで、「下書き保存」リンクを押すと保存できます。
「プライバシーポリシーページを変更する」には、デフォルトで「Privacy Policy」と表示されていますが、実は、WordPressには予め英文ひな形の固定ページが下書きとしてセットされています。
多言語サイトとして、英語のプライバシーポリシーを表示したい場合は、こちらの下書きを編集して保存してください。
以上が、インストール直後の設定項目の使い方になります。次回の連載は、テーマをカスタマイズする「子テーマ」の作成と使い方について解説します。